半年間の独学で気象予報士試験に一発で合格するための戦略

気象予報士試験対策
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本記事の結論

❶1カ月目:過去問をメインにして学科試験対策に集中

→過去問は解説が充実した「気象予報士過去問徹底攻略」と「気象予報士試験精選問題集」を使う。

→詳細の確認は「気象予報士かんたん合格テキスト・一般知識編」、「気象予報士かんたん合格テキスト・専門知識編」、「気象予報士 完全合格教本」を使う。

❷2ヶ月目:「気象予報士試験大気の熱力学・力学徹底攻略」、独学文系から難問大気の力学・熱力学を完璧にマスターするための計算問題集で計算問題対策。「らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト(実技編)」で実技対策開始

→計算問題対策として「真壁京子の気象予報士試験数式攻略合格ノート」も活用

❸3カ月目〜4カ月目:学科3;実技7の割合

→最近の災害事例を確認

→学科試験は「気象予報士試験 模範解答と解説」で多くの問題を解いていく

❹5ヶ月〜6ヶ月目:「気象予報士試験 模範解答と解説」で総仕上げ、そして学科試験対策として最新の変更点を確認

数年前に独学で気象予報士試験に合格。1回目の受験では、一般知識、専門知識共に不合格。2回目は一般知識のみの合格で、専門知識で不合格。学科免除があったにも関わらず、2年放置して再度受験。3回目で一般知識・専門知識試験、実技試験に合格。

この記事は、自身の経験を基にした、半年間の独学で気象予報士試験に一発で合格するための戦略を紹介するものになります。

まず前提として半年間の勉強で気象予報士資格を取るのは、かなり大変なものだというのは頭に入れておいて下さい。早急に取得しなければいけない人で、ある程度勉強の時間を確保できる方を対象にした記事なのでその点はお知りおき下さい。(私は無理なく取得できるのは1年くらいだと思っています。)

この記事ではいくつかの書籍が出てきますが、詳しい書籍の概要などは、

独学で気象予報士試験合格を確実にする勉強法[学科試験編]

独学で気象予報士試験合格を確実にする戦略と勉強法[実技試験編]

これら2つの記事に詳しく書いてありますので適宜ご参照下さい。

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❶1カ月目:過去問をメインにして学科試験対策に集中

最初の1ヶ月間は、過去問をメインにして学科試験対策に集中します。使う教材は、「気象予報士過去問徹底攻略」と「気象予報士試験精選問題集」になります。

この2冊は、解説が充実していて、かつテーマごとに問題が分かれて知識をインプットしていくのに適しているので、過去問集の中でもオススメの問題集です。

気象予報士過去問徹底攻略

学科試験(一般知識、専門知識ともに)対策で私が一番オススメする書籍が、この「気象予報士過去問徹底攻略」です。学科試験の勉強の大半をこの書籍で対応して合格することができました。この本は1問が見開きになっていて、左が問題右が解説で構成され、見やすく使いやすくくなっています。問題数が豊富で、解説もしっかりしているので、参考書としても十分利用可能です。最初は問題を解いても分からないかもしれませんが、解説をよく読めば2周目以降は解ける問題も徐々に増えていきます。

難点としては、古い情報が散見されることと、文系出身者が難しいと感じる問題(湿潤断熱減率や発散収束、温度移流など)の解説の内容が若干薄いことがあげられます。

気象予報士試験精選問題集

こちらは、テーマごとに過去問を解いていく問題集になります。「気象予報士過去問徹底攻略」と同様、解説が充実しているので知識のインプットの段階では非常に有効な問題集です。

オススメの参考書

知識の幅を広げるために気象予報士かんたん合格テキスト・一般知識編」、「気象予報士かんたん合格テキスト・専門知識編」、「気象予報士 完全合格教本」の3冊の参考書をオススメします。

「らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト学科・一般知識編」

らくらく突破シリーズは、現状気象予報士試験対策としての参考書の中では、内容、価格からみてダントツオススメの参考書です。辞書代わりとしても使えます。

気象予報士 完全合格教本

これは、過去問で紹介した「気象予報士過去問徹底攻略」の参考書版として出されているもので、互換性もあるので「気象予報士過去問徹底攻略」と併せて使うことをオススメします。

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❷2ヶ月目:「気象予報士試験大気の熱力学・力学徹底攻略」、独学文系から難問大気の力学・熱力学を完璧にマスターするための計算問題集で計算問題対策。「らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト(実技編)」で実技対策開始

2カ月目は、学科試験の計算問題対策として「大気の熱力学・力学」、独学文系から難問大気の力学・熱力学を完璧にマスターするための計算問題集を使っていきます。

「大気の熱力学・力学」


気象予報士試験 大気の熱力学・力学徹底攻略 (資格試験らくらく合格塾)

気象予報士試験 大気の熱力学・力学徹底攻略は「湿潤断熱減率」や「発散・収束」、「温度移流」など、学科試験で文系の人が難しいと感じる「大気の熱力学」と「大気の力学」の過去問のみを集め、解説した問題集です。少し古い問題を扱っていますが、熱力学・力学の力をつけるにはうってつけの本です。この科目に特化した本はあまり無いので計算問題が苦手の方には貴重な本になると思います。ただし、現在この書籍は、入手が困難になっているため、独自に大気の力学・熱力学について対策集を作成しました(力学については作成中)。

独学文系から難問「大気の力学・熱力学」を完璧にマスターするための計算問題集

独学文系から難問大気の力学・熱力学を完璧にマスターするための計算問題集

上記で話した通り「気象予報士試験 大気の熱力学・力学徹底攻略」は、入手が困難のため、独自に大気の熱力学について問題集を作りました。これは合格時に自身が大気の熱力学について理解したことを全てまとめています。こだわったのは、計算問題など文系の人が苦手とする部分の解説です。以下計算問題の抜粋です。

[第33回試験・一般知識・問8 類似問題]
図のように、 北半球中緯度の自由大気中およびその直下の地上付近の大気中で 等圧線が同じ間隔で分布し、 気圧傾度力、 コリオリ力、摩擦力(地上付近のみ) が釣りあっている。 等圧線と風の向きのなす角は、 自由大気中では 0°、 地上付近の大気中では30°とする。 このときの地上付近の大気中の風速の、 自由大気中の風速に対する比の値に最も近いものを、 下記の①~⑤の中から一つ選べ。 ただし、 自由大気中と地上付近の大気中での空気密度は同じで、 摩擦力は風の向きの反対方向を向いているものとし、 sin30 =0.50、 cos30°=0.87とする。 また、 図は力の釣りあいを模式的に示すもので、 矢印の向き、 長さは正確ではない。

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① 0.2倍 ② 0.3倍 ③ 0.5倍 ④ 0.9倍 ⑤ 1.3倍

解答:④
解説
この問題のpointは、設問から自由大気中と地上付近で気圧傾度力は同じなので、地上付近の気圧傾度力とコリオリ力の比が、そのまま自由大気と地上付近の風速比になることです。順を追って説明していきます。
自由大気中では、 上の図に示されているように、 気圧傾度力とコリオリ力が釣り合う地衡風平衡になっています。

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続いて地上の大気を見ていきます。気圧傾度力は、自由大気中と同じで等圧線と垂直。摩擦力は風が吹く方向と逆向きに、コリオリ力は直角に働きます。そして、摩擦力とコリオリ力の合力は、気圧傾度力と釣り合っているので、気圧傾度力と逆向きに同じ力が働きます。

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設問に「自由大気中およびその直下の地上付近」と言っているので、自由大気と地上は緯度が同じです。緯度が同じということは、コリオリ力の2wsinQの部分(コリオリパラメータ)が同じということが分かります。

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また設問から自由大気と地上の気圧傾度力が同じなので、自由大気のコリオリ力と地上のコリオリ力と摩擦力の合力が等しくなります。

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ということで、地上のコリオリ力と摩擦力の合力(=自由大気のコリオリ力)、と地上のコリオリ力の比率が分かれば、自由大気のコリオリ力と地上のコリオリ力の比率が分かります。
上記で説明した通り、自由大気のコリオリ力と地上のコリオリ力の2wsinQの部分(コリオリパラメータ)が同じなので、それぞれの風速の比率は、それぞれのコリオリ力の比率と同じになります(下図参照)。
あとは三角比の知識で解くことができます。下図の①合成力が斜辺、地上のコリオリ力が底辺に相当しますので、②=cos30°×①
となり、設問でcos30°は0.87と与えられているので、これに一番近い4の0.9倍が正解になります。

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補助教材

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❸3カ月目〜4カ月目:学科3;実技7の勉強割合

3ヶ月〜4ヶ月目は、全体の勉強の割合としては徐々に実技試験対策の勉強を増やしていくイメージ。4カ月目の終わりぐらいには3:7ぐらいのイメージでしょうか。

学科対策としては、「気象予報士過去問徹底攻略」,「気象予報士試験精選問題集」、「大気の熱力学・力学」、[気象予報士試験対策]独学文系から難問「大気の熱力学」を完璧にマスターするための問題集の反復、そして「気象予報士試験 模範解答と解説」で多くの問題を解いていきます。

最終的には「気象予報士過去問徹底攻略」と「大気の熱力学・力学」の解説文まで全て頭に入っている状態にまで持っていきます。「気象予報士試験 模範解答と解説」は揃えれれる分だけ揃えて、ガンガン解いていきましょう。15問中9問〜10問は解けれるようになっておきたいところです。

実技対策としては、引き続き「らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト(実技編)」をメインに使用します。pointとしては、事例演習の低気圧、不安定現象と北東気流、メソモデル事例、梅雨、冬型、台風、寒冷低気圧などの各問題に対する解答のキーワードを頭にたたきこむことです。そして覚えたことをアウトプットできるか「過去問」を使って確認していきます。

またこの時期から本番を見据えて、「気象予報士かんたん合格ノート」を読むことをオススメします。

実技試験への心構えやデバイダーの使い方などの細かいテクニックが書かれています。また自分的に実技の勉強で役立ったのは「実技は質問されたことのみを解答すること。余計なことは解答しない」という 言葉。過去問を解き続けていくと、だんだんとこのことの重要性を認識できてきます。

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❹5ヶ月〜6ヶ月目:「気象予報士試験 模範解答と解説」で総仕上げ、そして学科試験対策として最新の変更点を確認

最後の2ヶ月は、総仕上げの時期です。「気象予報士試験 模範解答と解説」で時間を図りながら、解いていきましょう。特に実技は時間との勝負になるので、早く解答できるよう訓練していきましょう。

また、合間の時間に「気象予報士過去問徹底攻略」、「大気の熱力学・力学」、「らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト(実技編)」の天気記号の暗記なども行って下さい。

そして、学科試験対策として、最後の2ヶ月で気象庁から発表される最新の変更点を確認します。これは

[気象予報士試験対策]最新の変更情報まとめ

を確認下さい。この記事では、独学で勉強されている方に向けて、気象庁から発表される最新の変更点、並びに気象予報士試験合格のために覚えるべきpointなども併せてご紹介しています。

以上になります。

気象予報士資格を取ったなら(取ったら)いっそパイロットを目指すのはどうか

コメント

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